電車に乗っていると、
ふと窓の外に海が見える瞬間があります。
それまで街の建物や、
いつもの道ばかりを眺めていたのに、
急に視界がひらけて、
青い海が広がる。
その一瞬だけで、
心が少し軽くなるような気がします。
電車の窓から見える海は、
歩いて見に行く海とは少し違います。
ずっとそこにあるのに、
こちらは電車に乗っているから、
景色は少しずつ流れていきます。
海の青。
空の明るさ。
遠くに見える水平線。
それらが窓の中におさまって、
まるで小さな絵のように見えるのです。
電車の音も、
不思議とその景色に合っています。
ガタンゴトンと揺れながら、
海のそばを通り過ぎていく時間。
急いでいるはずなのに、
その景色を見ている間だけは、
少しゆっくり進んでいるように感じます。
波がきらきら光っていたり、
小さな船が遠くに見えたり、
海辺の町が静かに並んでいたり。
何か特別なことが起きているわけではないのに、
ただそれだけで癒されます。
電車の中には、
いろいろな人が乗っています。
仕事に向かう人。
学校へ行く人。
どこかへ遊びに行く人。
何も考えずに窓の外を見ている人。
それぞれ違う時間を過ごしているのに、
同じ海を一瞬だけ見ている。
そう思うと、
少し不思議で、
少しやさしい気持ちになります。
海は何も言いません。
ただ広がっていて、
ただ光を受けて、
ただ静かにそこにあります。
でも、その何も言わない感じが、
疲れた心にはちょうどいいのかもしれません。
電車から見える海は、
長く眺められる景色ではありません。
少し見えて、
少し流れて、
また別の景色に変わっていきます。
だからこそ、
その一瞬がきれいに感じるのだと思います。
毎日の中に、
ほんの少しだけ現れる癒し。
窓の外に広がる海を見ながら、
今日もなんとか大丈夫かもしれない。
そんなふうに思わせてくれる景色でした。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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