公園のベンチは、
ただ座るためだけのものではない気がします。
少し疲れたとき、
何も考えたくないとき、
歩く足を止めたいとき、
そこにベンチがあるだけで、少し安心します。
誰かと話すために座る人もいれば、
ひとりでぼんやり空を見るために座る人もいます。
買い物帰りの人。
散歩の途中の人。
小さな子どもを見守る人。
何もせず、ただ風に当たっている人。
公園のベンチは、
そんな人たちの時間を、静かに受け止めているように見えます。
特別なことは何も起きていないのに、
木の葉が揺れて、
鳥の声がして、
遠くで子どもの笑い声が聞こえて、
それだけで心が少しやわらかくなります。
ベンチに座っていると、
急がなくてもいいような気持ちになります。
今すぐ答えを出さなくてもいい。
無理に元気にならなくてもいい。
少し休んでから、また歩けばいい。
そんなことを、
公園のベンチは何も言わずに教えてくれているようです。
木陰に置かれた古いベンチも、
夕方の光を受けるベンチも、
雨上がりに少し濡れているベンチも、
それぞれに静かな表情があります。
誰かの一日が、
そこで少しだけ軽くなったかもしれない。
誰かの悩みが、
そこで少しだけほどけたかもしれない。
そう思うと、
公園のベンチはとてもやさしい場所に感じます。
何かをしてくれるわけではないけれど、
そこにあるだけで、休んでもいいと思わせてくれる。
そんな静かな存在に、
人は案外、救われているのかもしれません。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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