2026年5月23日土曜日
癒されるアジサイの街道
雨あがりの道は、
いつもより少しだけ静かに見える。
濡れた道の両側には、
青や紫、淡い水色のアジサイが、
やさしく並んで咲いていた。
強く主張するわけでもなく、
ただそこに咲いているだけなのに、
その道を見ていると、
少しずつ心が落ち着いていく。
花びらには、
雨の名残のような小さなしずくが残っている。
そのしずくが光を受けて、
ほんの少しだけきらめく。
まるで、
雨が降った時間までも、
この景色の一部になっているようだった。
道はゆるやかに奥へ続いている。
急がなくてもいい。
立ち止まってもいい。
ただ、ゆっくり歩いていけばいい。
そんなふうに、
アジサイの街道が言ってくれている気がした。
遠くには緑の山が見えて、
空にはまだ雲が残っている。
けれど、その雲のすき間から差し込む光が、
濡れた道をやわらかく照らしていた。
晴れた日だけが、
きれいな日ではないのかもしれない。
雨が降ったあとだからこそ、
花の色は深く見える。
葉っぱは生き生きとして見える。
道に映る光も、
いつもよりやさしく見える。
アジサイの街道には、
派手な明るさはない。
でも、
静かに心をほどいてくれるような、
やさしい明るさがある。
疲れた日には、
こんな道を少しだけ歩きたくなる。
何かを考えるためではなく、
何かを決めるためでもなく、
ただ、花の色と雨あがりの空気の中に、
自分をそっと置いてみたくなる。
癒される景色というのは、
大きな感動をくれるものばかりではない。
こうして静かに続く道のように、
気づかないうちに心の力を抜かせてくれるものもある。
アジサイの街道を見ていると、
少しだけ、今日の自分を許せる気がした。
雨が降ってもいい。
立ち止まってもいい。
ゆっくり進んでもいい。
その先に、
やさしい光が差すこともあるのだから。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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