2026年6月10日水曜日

癒される都会の海

癒される都会の海
都会の海には、
自然の海とは少し違う静けさがあります。

ビルの間を抜けて歩いていくと、
急に視界が開けて、
水面が見える瞬間があります。

その景色を見るだけで、
少しだけ呼吸が深くなるような気がします。

海は遠くの観光地にあるものだと、
どこかで思っていました。

けれど、
都会の中にも海はあります。

電車の音が遠くに聞こえて、
車が走っていて、
人の声もどこかから聞こえてくる。

それでも水面は、
そんな忙しさを全部受け止めるように、
ゆっくり揺れています。

都会の海は、
完全な静寂ではありません。

むしろ、
生活の音に囲まれたまま、
その中で静かに存在している海です。

そこが少し、
今の自分には合っているように感じます。

何もかも忘れられる場所ではなく、
忘れられないものを抱えたまま、
少し休める場所。

都会の海辺に立つと、
風が思ったよりやさしく吹いてきます。

潮のにおいは強すぎず、
コンクリートの道や、
港の柵や、
遠くのビルの光と混ざっています。

夕方になると、
水面に街の光が映りはじめます。

きらきらしすぎない光が、
波に揺られて、
少しずつ形を変えていきます。

それを見ていると、
一日がうまくいかなかった日でも、
まあ、今日はここまででいいかと思えます。

都会の海には、
派手な癒しはありません。

南国のような青さも、
絵はがきのような美しさも、
いつもあるわけではありません。

でも、
日常のすぐそばにあるからこそ、
ふとした時に助けてくれる感じがあります。

仕事帰りでも、
買い物の途中でも、
少し遠回りすれば見に行ける海。

それだけで、
心の逃げ道がひとつ増えたような気がします。

都会で暮らしていると、
空も、道も、人の流れも、
少し狭く感じることがあります。

でも海の前に立つと、
目の前だけは広くなります。

その広さが、
心の中の詰まった部分を、
少しだけほどいてくれます。

癒される都会の海。

それは、
遠くへ行けない日にも、
今いる場所から少しだけ自由になれる景色なのかもしれません。

今日もまた、
街の音の向こうで、
海は静かに揺れています。

何かを急かすこともなく、
何かを責めることもなく、
ただそこにあります。

その静かな揺れを見ているだけで、
もう少しだけ明日も歩いてみようと、
そんな気持ちになれました。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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