バスに乗っている時間が、
少し好きです。
電車ほど速くなくて、
車ほど自由でもない。
でも、そのゆっくりした感じが、
なんだか心にちょうどいいのです。
バス停で待っていると、
遠くから大きな車体が近づいてきます。
行き先の文字が見えて、
ドアが開いて、
小さな日常の旅が始まります。
座席に腰を下ろすと、
窓の外の景色が少しずつ流れていきます。
見慣れた道。
通り過ぎるお店。
信号待ちの車。
歩道を歩く人。
いつもなら何気なく見ている景色も、
バスの窓から見ると、
少しだけ物語のように見えます。
バスは急ぎすぎません。
信号で止まり、
バス停で止まり、
誰かを乗せて、
誰かを降ろして、
またゆっくり走り出します。
そのたびに、
町の中にいろいろな時間があることを思い出します。
急いでいる人。
買い物帰りの人。
学校へ向かう人。
どこかへ帰る人。
みんな、それぞれの用事を持って、
同じバスの中に少しだけ一緒にいます。
それが不思議と、
やさしい感じがするのです。
夕方のバスは特に好きです。
窓に淡い光が差し込んで、
町の建物が少し赤く染まって、
座席の影が静かに伸びていきます。
エンジンの音も、
タイヤが道路を走る音も、
いつの間にか心を落ち着かせてくれます。
何かを考えたい時も、
何も考えたくない時も、
バスの揺れはやさしいです。
目的地へ向かっているのに、
急かされている感じがしない。
ただ座って、
窓の外を見て、
町の流れに身をまかせる。
それだけで、
少し疲れていた気持ちが、
静かにほどけていくことがあります。
バスは、
特別な乗り物ではないかもしれません。
でも、日常の中にあるからこそ、
ふとした時に安心させてくれます。
今日もどこかの道を、
誰かを乗せたバスが走っています。
ゆっくり曲がり、
静かに止まり、
また少しずつ前へ進んでいく。
その姿を思い浮かべるだけで、
なんとなく心がやわらかくなります。
癒されるバス。
それは、
町の中を走る小さな休憩時間なのかもしれません。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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