2026年2月14日土曜日

寒い夜の毛布

布団に入った瞬間、
ひやっとした空気が肌に触れる。
思わず足を引っ込める。

でも、
毛布を引き寄せたその瞬間から、
世界は少しずつ優しくなる。

首元まで包み込むと、
昼間の緊張がほどけていく。
誰にも見せていない疲れも、
そっと沈んでいく。

外では風が鳴っている。
冷たい夜が広がっている。

けれど毛布の中は、
小さな秘密基地みたいだ。

足先が温まり、
手のひらが落ち着き、
呼吸がゆっくりになる。

今日うまくいかなかったことも、
誰かの言葉も、
少しずつ遠くへ行く。

毛布は何も言わない。
ただ包むだけ。

その無言のやさしさが、
寒い夜にはありがたい。

目を閉じると、
自分の鼓動だけが聞こえる。

寒い夜の毛布は、
世界と少し距離を取らせてくれる。

そして朝が来れば、
また外へ出ていける。
それまでの、
静かな避難場所。

0 件のコメント:

コメントを投稿

癒される川の話

気がつくと、 私は川の近くに来ていることがある。 特別な理由があるわけじゃない。 ただ、なんとなく。 川の水は、絶えず流れている。 同じ場所に見えて、 一瞬たりとも同じではない。 その流れをぼんやりと眺めていると、 自分の中に溜まっていたものが、 少し...