布団に入った瞬間、
ひやっとした空気が肌に触れる。
思わず足を引っ込める。
でも、
毛布を引き寄せたその瞬間から、
世界は少しずつ優しくなる。
首元まで包み込むと、
昼間の緊張がほどけていく。
誰にも見せていない疲れも、
そっと沈んでいく。
外では風が鳴っている。
冷たい夜が広がっている。
けれど毛布の中は、
小さな秘密基地みたいだ。
足先が温まり、
手のひらが落ち着き、
呼吸がゆっくりになる。
今日うまくいかなかったことも、
誰かの言葉も、
少しずつ遠くへ行く。
毛布は何も言わない。
ただ包むだけ。
その無言のやさしさが、
寒い夜にはありがたい。
目を閉じると、
自分の鼓動だけが聞こえる。
寒い夜の毛布は、
世界と少し距離を取らせてくれる。
そして朝が来れば、
また外へ出ていける。
それまでの、
静かな避難場所。
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