あの日のことは、
特別な出来事として、
しまっておくことにした。
説明も、
結論も、
つけないまま。
風鈴が鳴った理由を、
探そうと思えば、
いくらでも探せる。
でも、
そうしなかった。
大切だったのは、
音そのものより、
その場に流れていた、
空気だった気がする。
また同じ音が、
聴けるかどうかは、
わからない。
次に行ったときは、
何も起きないかもしれない。
それでもいい。
風鈴が鳴らなくても、
風が吹かなくても、
ただ立って、
音のない時間を、
感じられたら。
あの場所には、
静けさがある。
考えすぎた思考を、
少しだけ、
軽くしてくれる静けさが。
またいつか、
ふと思い出したときに、
足を運べばいい。
何かを願うためでもなく、
答えをもらうためでもなく。
ただ、
あの風鈴の音を、
聴きに行くために。
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