2026年6月19日金曜日

癒される島

癒される島

瀬戸内海の島には、時間が少しだけゆっくり流れているような気がします。

海は大きく広がっているのに、どこかやさしくて、波の音も静かです。

遠くには小さな島がいくつも浮かんでいて、空と海のあいだに、淡い青色の影のように並んでいます。

港に着くと、潮の香りがふわっと流れてきます。

派手な観光地のにぎやかさではなく、昔からそこにある暮らしの音が、島全体にしみ込んでいるようでした。

細い坂道を歩くと、古い家の屋根、石垣、小さな畑、洗濯物、猫が眠る路地が見えてきます。

どれも特別なものではないのに、見ているだけで心が落ち着きます。

島の道は、急がなくてもいい道でした。

少し歩いて、立ち止まって、海を見て、また歩く。

それだけで、胸の中にあった小さな疲れが、少しずつほどけていくようでした。

高台まで上がると、瀬戸内海が静かに広がっていました。

船がゆっくり進み、そのあとに白い線が残ります。

風は強すぎず、頬をなでるくらいで、海のきらめきだけが静かに動いていました。

この島には、大きな出来事は起こらないかもしれません。

けれど、何も起こらない時間の中に、ちゃんと癒しがありました。

ベンチに座って海を眺めていると、何かを頑張らなくてもいいような気持ちになります。

ただ風を感じて、波の音を聞いて、空の色が少しずつ変わるのを見ている。

そんな時間が、今の自分には必要だったのかもしれません。

夕方になると、島の景色はさらにやわらかくなります。

海は淡い金色に染まり、家々の窓にも小さな光が灯ります。

港に戻る道で振り返ると、島全体が夕日に包まれて、まるで静かな絵の中にいるようでした。

癒される島とは、何か特別なものがある場所ではなく、心の音を小さくしてくれる場所なのかもしれません。

瀬戸内海に浮かぶ小さな島。

そこには、急がない海と、やさしい風と、何もしなくても満たされる時間がありました。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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