都会の中を歩いていると、ふと川に出会うことがあります。
ビルの間を静かに流れていたり、橋の下で光を反射していたり、車の音にまぎれながらも、そこだけ少し時間がゆっくりしているように感じます。
山や海のように大きな自然ではないけれど、都会の川には都会の川だけの癒しがあります。
コンクリートの護岸。
並んだ街灯。
川沿いを歩く人。
水面に映るビルの影。
そういうものが全部混ざって、不思議と落ち着く景色になっています。
川の近くに立つと、街の音が少しだけやわらかく聞こえます。
水の流れる音があるだけで、同じ都会でも空気が少し変わる気がします。
忙しそうに歩いていた人も、川沿いでは少し歩く速度が遅くなるように見えます。
ベンチに座ってスマホを見ている人。
犬の散歩をしている人。
橋の上で立ち止まって、何も考えずに水面を見ている人。
都会の川は、誰かに何かを強くすすめるわけではありません。
ただそこに流れていて、疲れた人が少しだけ息をつける場所になっているのだと思います。
夕方の川は特にきれいです。
空の色が少しずつ変わって、川の表面にオレンジや青が混ざります。
ビルの窓に灯りがつきはじめると、水面にも小さな光が揺れます。
その揺れを見ていると、今日の疲れも少しだけほどけていくような気がします。
遠くへ旅行に行かなくても、特別な場所を探さなくても、都会の中には小さな癒しが隠れています。
それは大きな公園かもしれないし、古い喫茶店かもしれないし、川沿いの短い道かもしれません。
都会の川は、忙しい日常のすぐ横にある静かな余白です。
何かに疲れた日には、少しだけ川の近くを歩いてみるのもいいかもしれません。
水が流れているだけの景色なのに、不思議と心の中まで流してくれるものがあります。
都会の川は派手ではありません。
でも、その静かさがいいのです。
人の暮らしのそばで、今日もただ流れている。
その当たり前の景色に、少しだけ救われることがあります。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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