2026年3月31日火曜日

癒される湖の話

癒される湖

なんとなく、心がざわつく日がある。
理由ははっきりしないのに、どこか落ち着かない。
そんなとき、私は湖を思い出す。

静かな湖。
風がなければ、水面は鏡のように空を映している。
雲の形も、光の揺らぎも、そのままそこにある。
まるで、もうひとつの世界が広がっているみたいに。

湖のいいところは、なにも求めてこないところだと思う。
海みたいに大きな音も立てないし、
川みたいにどこかへ急いで流れていくこともない。
ただ、そこにあるだけ。

その「ただそこにある」という感じが、
少し疲れた心にはちょうどいい。

湖のほとりに座って、ぼんやりと水面を眺めていると、
頭の中のいろんな考えが、少しずつ静かになっていく。

あれをやらなきゃ、とか。
これでよかったのかな、とか。
そんな言葉たちが、水の奥に沈んでいくみたいに。

代わりに残るのは、風の音とか、
遠くで鳴く鳥の声とか、
自分の呼吸のリズムとか。

それだけで、なんだか十分な気がしてくる。

特別なことはなにも起きていないのに、
なぜか少しだけ、心が軽くなる。

湖はきっと、なにかを与えてくれる場所じゃなくて、
いらないものを静かに引き受けてくれる場所なんだと思う。

だからまた、ざわついたときには思い出す。
あの静かな水面と、
何も言わずにそこにいてくれる景色を。

そして少しだけ、深呼吸をする。

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