2026年2月21日土曜日

池にいる亀

散歩の途中、
いつもの池をのぞいてみる。

水面は静かで、
風が吹くたびに
やわらかな波が広がっていく。

その端っこに、
いつもの亀がいる。
石の上で、
じっと動かず、
ただ日差しを浴びている。

急ぐ様子もなく、
誰かに見られていることも気にせず、
首を少し伸ばして、
目を細めている。

あんなふうに、
ただ「いる」だけでいい時間が、
自分にもあるだろうかと考える。

何かを達成しなくても、
誰かに評価されなくても、
石の上で陽を浴びる亀のように、
今日という日を味わうだけでいい。

しばらく見ていると、
亀はゆっくりと水の中へ滑り込んだ。
音もなく、
波紋だけを残して。

その丸い波紋が広がるのを見ていると、
心の奥にたまっていた焦りも、
少しずつほどけていく気がした。

池にいる亀は、
何も語らないけれど、
「そんなに急がなくていいよ」と
背中で教えてくれているようだった。

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