春の終わりごろになると、
青い花が一面に広がる景色を見たくなる。
ネモフィラの青は、
空の青とも、海の青とも少し違う。
もっとやわらかくて、
もっと静かで、
見ているだけで気持ちがほどけていくような青。
小さな花なのに、
たくさん集まると、
まるで地面に空が降りてきたように見える。
風が吹くと、
青い花が少しだけ揺れる。
その揺れ方が、
何かを急がせるわけでもなく、
ただそこにいていいと言ってくれているようで、
少し安心する。
ネモフィラは、
派手に主張する花ではないのに、
なぜか心に残る。
近づいて見ると、
ひとつひとつの花は小さくて、
やさしい形をしている。
でも、遠くから見ると、
広い青の景色になる。
小さなものが集まって、
大きな癒しになる。
そう思うと、
なんだか少し励まされる。
毎日も、
ひとつひとつは小さなことばかりかもしれない。
朝起きること。
お茶を飲むこと。
外の風に気づくこと。
誰かの言葉を思い出すこと。
そんな小さな時間が、
あとから振り返ると、
ちゃんと一日の景色を作っている。
ネモフィラの花畑を見ていると、
無理に元気を出さなくてもいい気がする。
ただ静かに眺めて、
少し息を吸って、
少し肩の力を抜くだけでいい。
青い花は、
何も言わずにそこに咲いている。
それだけなのに、
見ているこちらの心まで、
少しずつ青く澄んでいく。
癒しというのは、
大きな出来事ではなく、
こういう静かな景色の中にあるのかもしれない。
ネモフィラの青を見ていると、
今日はこれでいいと思える。
少し疲れていても、
少し立ち止まっていても、
また風が吹けば、
花はやさしく揺れる。
その姿を見ているだけで、
心の中にも、
小さな春の空が広がっていく。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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