たまに、理由もなく疲れている日がある。
何か大きな失敗をしたわけでもないのに、
気持ちだけが、じわっと重い。
そんなとき、
私はなぜか「クマ」を見たくなる。
動物園のクマでもいいし、
動画サイトに流れてくる、ただ歩いているだけのクマでもいい。
クマは、急がない。
少なくとも、そう見える。
のそのそ歩いて、
気が向いたら立ち止まって、
そしてまた歩く。
それだけなのに、
なぜか見ているこちらの呼吸が、少しゆっくりになる。
AIに「なぜクマを見ると落ち着くのか」と聞いたら、
きっとこう答えると思う。
「人間が忘れがちな“無駄のある動き”を、クマは肯定してくれるからです」
確かにそうかもしれない。
クマは、効率を気にしない。
意味のない時間を、堂々と使っている。
それが、いい。
人間は、
意味を探しすぎる。
成果を急ぎすぎる。
でもクマは、
「今日はこれくらいでいいか」
そんな顔をして、丸くなる。
あの丸さも、ずるい。
強いはずなのに、
どこか頼りなくて、
それでいて安心感がある。
AIはさらに言うだろう。
「クマは“戦える存在が休んでいる姿”だから、安心感が生まれます」
なるほど。
弱いから守ってあげたい、ではなく、
強いのに力を抜いている。
それを見ると、
自分も少し力を抜いていい気がしてくる。
クマが寝転んでいる映像を見ていると、
「今日はもう、ここまででいいか」
そう思えてくる。
何かを達成しなくても、
何者かにならなくても、
ただ生きていていい。
クマは、
そんなことを一言も言わない。
ただ、そこにいるだけだ。
でも、その“何も言わなさ”が、
いちばん効く。
もし疲れたら、
アドバイスを探すより、
クマを見ればいい。
のっそり歩いて、
ごろっと転がって、
また寝る。
それだけで、
世界は意外と、ちゃんと回っている。
今日もどこかで、
クマはクマをやっている。
それを思い出すだけで、
少しだけ、肩が軽くなる。
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