2026年9月15日火曜日
癒される夏の終わりの花火の音
夜が近づく頃、遠くの空にひとつ、また一つと花火が上がる。パン、と弾けた音が少し遅れて届き、それが夏の終わりを告げているようで、少し切なくなる。
窓を開けていると、風鈴の音に混じって、花火の音が届く。日が長かった夏も、いつのまにか日暮れが早くなり、夜風にはどこか涼しさが混ざるようになった。それでも、この時期の花火大会は特別だ。夏をもう少しだけ引き延ばしてくれるような、そんな優しさがある。
浴衣姿の親子が手をつないで歩いていく。屋台の匂い、蚊取り線香の匂い、そして遠くから響く太鼓の音。花火が上がるたびに、空が一瞬だけ色づき、それを見上げる人々の顔も明るく浮かび上がる。誰もが同じ方向を見て、同じ音に耳を澄ませている。そんな時間があることが、なんだか嬉しい。
花火の音は不思議なものだ。光はもうすぐそこに見えているのに、音はいつも少し遅れてやってくる。ドン、と体に響くような重い音が届くころには、光はすでに消えかけている。この時間差が、なぜか心を静かにさせる。急いでいた気持ちも、その一瞬だけゆっくりになる。
最後の大きな花火が上がり、しばらく静けさが続く。祭りの後の余韻というのは、どこか寂しくて、それでいて温かい。夏が終わっていくことを受け入れながら、来年もまたこの音を聴きたいと、ふとそんなことを思う。
花火の音が消えたあとの静寂の中で、虫の声がすでに秋の気配を運んでいることに気づく。季節はいつも、こんなふうに静かに移り変わっていくのかもしれない。
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