2026年6月23日火曜日

癒される田舎の小川

癒される田舎の小川

田舎道をゆっくり歩いていると、草の間から小さな水の音が聞こえてきました。

それは大きな川ではなく、地図にも名前が載っていないような、細くて静かな小川でした。

水は浅く、透明で、底の小石がひとつひとつ見えるほど澄んでいます。

流れは急がず、草の根元をなでるように、さらさらと音を立てて進んでいました。

川辺には背の低い草が揺れていて、小さな白い花が、風に合わせて首をかしげていました。

遠くでは鳥の声がして、近くでは虫の羽音が聞こえます。

何か特別なものがあるわけではありません。

けれど、その何もなさが、なぜか心をやわらかくしてくれます。

都会にいると、時間はいつも前へ前へと流れていきます。

返事をしなければいけない通知。

片づけなければいけない用事。

考えすぎてしまう明日のこと。

そんなものを抱えたまま歩いていても、小川の前に立つと、少しだけ呼吸が深くなります。

水は何も言わずに流れていました。

急かすこともなく、励ますこともなく、ただ同じ調子で流れていました。

その静かさが、かえってやさしく感じられました。

川のそばにしゃがんで、水面をのぞくと、空の青と雲の白が小さく映っていました。

水の中にも、もうひとつの空があるようでした。

たまに風が吹くと、その空はゆらゆらと形を変えます。

でも、しばらくするとまた元に戻って、何事もなかったように光を映します。

人の心も、きっと同じなのかもしれません。

少し乱れる日があっても、静かな場所に身を置けば、またゆっくり整っていく。

田舎の小川には、そんなことを思わせる力があります。

派手な景色ではありません。

写真を撮っても、強い印象が残るものではないかもしれません。

けれど、心が疲れているときほど、こういう景色が深く残ります。

さらさらと流れる水。

風に揺れる草。

小さな橋の影。

遠くの家の屋根。

その全部が、何も言わずに「少し休んでいけばいい」と言ってくれているようでした。

帰り道、もう一度だけ振り返ると、小川は変わらず静かに流れていました。

私が立ち止まっても、歩き出しても、きっと明日も同じように流れているのでしょう。

そう思うと、不思議と安心しました。

癒しは、特別な場所にだけあるものではないのかもしれません。

田舎の道ばたにある小さな小川のように、気づかず通り過ぎてしまうほど静かな場所に、そっと置かれているのかもしれません。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

PR
楽天市場

よろしければ、
のぞいてみてください


0 件のコメント:

コメントを投稿