夏休みと聞くと、遠くへ出かけたり、特別なことをしたりする日々を思い浮かべます。
けれど、本当に心が休まる夏休みは、もっと静かな場所にあるのかもしれません。
朝、少しだけ早く目を覚ますと、開けた窓から涼しい風が入ってきました。
遠くではセミが鳴き、庭の葉が朝の光を受けて、ゆっくり揺れています。
冷たい麦茶をコップに注ぎ、縁側に座ります。
氷が小さな音を立てるたびに、急がなくてもいい一日が始まったことを感じました。
昼になると、空には大きな入道雲が浮かびます。
強い日差しの下で、町の道も、古い家の屋根も、少し眠っているように見えました。
風鈴が鳴り、白いカーテンがふわりと持ち上がります。
何も起こらない時間なのに、その静けさが不思議と心を満たしてくれます。
読みかけの本を開いても、いつの間にか眠ってしまう。
目を覚ますと、ページの上には午後のやわらかな光が落ちていました。
夕方には、昼間の暑さが少しずつ遠ざかります。
空は青色から橙色へ変わり、子どもたちの声が遠くの道から聞こえてきました。
帰る場所があり、今日という一日が静かに終わっていく。
それだけで、十分に幸せなことなのかもしれません。
夏休みは、何かをたくさん経験するためだけの時間ではありません。
立ち止まり、風の音を聞き、自分の心を少し休ませるための時間でもあります。
忙しい日々の間に、小さな夏休みを見つけてみる。
冷たい飲み物と、窓から入る風と、何もしなくていい午後。
そんな静かな時間が、疲れた心をそっと癒してくれるのだと思います。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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