2026年7月12日日曜日
癒される夏祭り
夕暮れの空が、青から淡い紫色へ変わり始めるころ。
町の小さな神社へ続く道に、赤い提灯の明かりが一つずつ灯っていきました。
どこからか聞こえてくる太鼓の音。
風に乗って流れてくる、焼きそばや甘い綿あめの香り。
いつもは静かな道も、今夜だけは浴衣姿の人たちでにぎわっています。
子どもたちは、手にした小さなうちわを振りながら、金魚すくいやヨーヨー釣りの屋台へ走っていきます。
水の中を泳ぐ赤い金魚を、じっと見つめる子。
取れそうで取れないヨーヨーに、何度も笑う子。
その姿を見ているだけで、こちらまで少し楽しい気持ちになります。
人の多い場所から少し離れると、境内の古い木の下に静かな場所がありました。
木の葉が夜風に揺れ、提灯の明かりが地面にやさしく映っています。
遠くから聞こえる笛や太鼓の音も、ここでは少し穏やかに感じられました。
手に持ったラムネの瓶は、ひんやりと冷たく、瓶の中のビー玉が小さな音を立てています。
空を見上げると、夏の夜空に一番星が輝いていました。
にぎやかな声も、屋台の明かりも、夜空へ消えていく太鼓の音も、すべてが夏の思い出になっていきます。
やがて祭りが終わりに近づき、人の流れも少しずつ静かになりました。
帰り道には、先ほどまでのにぎわいが嘘のような、涼しい夜風が吹いています。
遠くに残る提灯の明かりを振り返ると、心の中にも小さな明かりが残っているようでした。
夏祭りは、ほんの短い時間です。
けれど、その夜に見た光や聞いた音は、疲れた日に思い出すだけで、心をそっと癒してくれるのかもしれません。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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