ふと空を見上げたくなる日がある。ビルの隙間からのぞく空ではなく、どこまでも遮るものがない、田舎の広々とした青い空だ。
田んぼのあぜ道に立って見上げると、視界いっぱいに青が広がる。雲はゆっくりと形を変えながら流れていき、その動きを目で追っているだけで、頭の中がすっと静かになっていく。都会にいるときは気づかなかったけれど、空はこんなにも広かったのかと、あらためて実感させられる。
風が吹くたびに稲穂が揺れ、その向こうに青空が続く。遠くには山の稜線がくっきりと浮かび、空との境界線を描いている。時折、鳥が一羽、二羽と横切っていく。鳴き声だけが響いて、あとは静寂。この静けさが、思っている以上に心を軽くしてくれる。
日が傾き始めると、青一色だった空にわずかな橙色が混ざり始める。それでもまだ青は健在で、夕方の淡いグラデーションを支えている。この時間の空は、一日の終わりをそっと知らせてくれるようで、なんとも言えない安心感がある。
スマートフォンを置いて、ただ空を眺める時間。それだけで十分に癒される。田舎の青い空は、何も足さなくても、そこにあるだけで人を穏やかにしてくれる存在なのかもしれない。
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