2026年9月13日日曜日

癒される田舎の満月の夜の田んぼ

癒される田舎の満月の夜の田んぼ

日が沈みきったあとの田舎道を歩いていると、ふいに視界が開ける場所がある。そこに広がっているのは、見渡す限りの田んぼだ。昼間なら青々とした稲穂が風に揺れているだけの、なんでもない景色。けれど夜、それも満月の夜となると、その田んぼはまったく違う顔を見せる。

空にぽっかりと浮かぶ丸い月は、驚くほど明るい。街灯もネオンもない田舎だからこそ、月の光だけで足元がうっすらと見えるほどだ。そしてその月光が、水を張った田んぼの水面に映り込む。風のない夜なら、水面は鏡のようになり、もう一つの月がそこに浮かんでいるように見える。空を見上げても、足元を見下ろしても、同じ満月がそこにある。そんな不思議な光景に、思わず足を止めてしまう。

田んぼのそばに立つと、都会では聞こえてこない音に気づく。カエルの鳴き声、虫の声、遠くで鳴く鳥の声。それらが重なり合って、夜の静けさをむしろ際立たせている。空気も澄んでいて、稲の匂いと土の匂いが混じった、どこか懐かしい香りがする。この匂いを嗅ぐと、忙しない日常のことをふっと忘れてしまう人も多いのではないだろうか。

満月の夜は、月明かりのおかげで空気全体がほんのり青白く染まって見える。田んぼの畦道を歩けば、稲が風に揺れる音と、自分の足音だけが響く。誰もいない、何もない、けれどそれだけで満たされるような時間。スマートフォンの画面から顔を上げて、こういう景色に目を向けるだけで、心がすっと軽くなる気がする。

田舎の田んぼと満月というのは、特別な観光地でもなんでもない。けれど、日本のどこかに今もひっそりと残っている、ありふれた、それでいて何度でも見たくなる風景だ。次に満月の夜があったら、少し夜道に出てみてほしい。きっと、言葉にできないほどの穏やかさに出会えるはずだ。


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