2026年9月17日木曜日
癒される夏の終わりの月見草
夕暮れが近づくと、川辺の草むらに黄色い小さな花がひっそりと開き始める。月見草だ。日中の強い日差しをやり過ごし、あたりが薄暗くなる頃にようやく花びらをゆるめていくその姿は、どこか夏の終わりの空気そのものを映しているようだった。
昼間はまだ蝉の声が残っているのに、風にはすでに秋の気配が混じっている。そんな季節の境目に、月見草は静かに咲く。派手さはないけれど、夕闇の中でぽつりぽつりと灯る黄色い花は、まるで小さな灯りが土手に並んでいるように見える。
近くを流れる川の音が、昼間よりも少しだけはっきりと聞こえる。虫の声も混ざり合い、夏と秋が重なり合う時間だと気づかされる。月見草の花はほんの一晩だけ咲いて、朝にはしぼんでしまう。その短い命の営みが、慌てず、焦らず、ただその瞬間を精一杯咲くという姿勢を教えてくれるようだった。
土手に座って、暮れていく空と月見草を眺めていると、一日の終わりも、夏という季節の終わりも、悲しいものではなく、次の季節へ静かに手渡していくものなのだと感じられる。月明かりに照らされた月見草の花は、涼しくなり始めた夜風の中で、そっと揺れていた。
夏の終わりという、少しさみしくも穏やかな時間に寄り添うように咲く月見草。その控えめな美しさに、心がすっと軽くなるような、優しい癒しを感じる夕暮れだった。
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