2026年9月13日日曜日

癒される電柱

癒される電柱

夕暮れ時、ふと空を見上げると、そこにはいつも同じ場所に立っている電柱がある。特に意識したこともない、ただの「電柱」。けれど、そのシルエットが夕焼けに染まる瞬間、なぜだか胸の奥がじんわりと温かくなることがある。

電柱は、決して華やかな存在ではない。むしろ「景観を損ねるもの」として扱われることも多い。けれど、幼い頃に見上げた電柱、学校帰りに友達と並んで歩いた道にあった電柱、実家の窓から見えていた電柱——そんな記憶の中の電柱は、どれも不思議と優しい表情をしている。

電線が空を横切り、鳥が羽を休め、夕日がその輪郭をオレンジ色に縁取る。都会でも田舎でも、電柱はいつも変わらずそこに立ち続けている。派手さはないけれど、変わらずそこにあるという安心感。それこそが、電柱が持つ「癒し」の正体なのかもしれない。

無機質なコンクリートの柱なのに、どこか人間味を感じてしまうのはなぜだろう。きっと、私たちの生活の隣にいつもひっそりと寄り添ってきたからだ。誰かの家に明かりを灯すために、静かに電気を届け続けてきた電柱。声を上げることも、目立つこともなく、ただ黙々と役目を果たしている姿は、どこか健気にも見える。

夜になれば、電柱についた外灯がぽつりと道を照らす。その柔らかい光の輪の中を歩くとき、一日の疲れがすっと抜けていくような感覚になる人も多いのではないだろうか。電柱と外灯、そして夜道——このありふれた組み合わせが、実はとても贅沢な「日常の風景」なのだと気づかされる。

たまには足を止めて、何気ない電柱を見上げてみてほしい。空との対比、影の伸び方、電線の揺れ方——そこには、忙しい毎日の中で忘れかけていた、静かで穏やかな時間が流れているはずだ。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

PR
コータのAmazonページへ

よろしければ、
のぞいてみてください


0 件のコメント:

コメントを投稿